ご挨拶

財団法人日米医学医療交流財団
会 長 小玉 正智
理事長 宮坂 勝之

戦後の人的交流にウエイトをおいたアメリカの援助、なかでもフルブライト基金は、教育・研究を通じわが国の医学・医療の発展に大きく貢献し、いまもなお高く評価されています。当財団は、両国間の医学・医療の交流を目的とし、日本版フルブライト計画を目指して、1988年厚生省の認可により設立されたのであります。2000年11月寄附行為の改正が認められ、最近の米国の医療やその教育に関する年数回のセミナー・研究会への助成等が、より活発に実施できるようになりました。その中で、当財団の主たる事業は医学・看護その他医療従事者への留学助成であります。

現在までに約500名を越える方々が当財団の助成により、主として北米を中心にカナダ欧州に留学されました。その方達の留学先はもとより帰国後の活躍は高く評価されており、今後さらに当財団といたしまして、留学助成に努力していく所存であります。

ひるがえって現在は、社会・経済や自然環境のみならず、保健・医療・教育等、我々を取り巻く環境はきわめて厳しい状況にあります。しかしいかなる時代にあっても、医学・医療ならびにその教育に対しては、確固たる信念をもって、その向上に努めなければなりません。

とくに医学教育は卒前、卒後にわたり、近年急激に変革しつつあります。その基本理念は、教師、医師中心から、学生・患者中心への転換です。具体的には、卒前の講義中心から問題基盤型学習(チュートリアル学習)へ、見学型から参加型の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)へ、臨床実習において患者さんに接する前に基本的臨床能力の有無を見るための共用試験の平成14年度からのトライヤル、標準模擬患者の育成・普及、卒後の研修の平成16年度からの必修化、それに関連するマッチング制度の導入、機関の研修医受入れ定員化等の制約など、この2〜3年の全国レベルの変化には、かつて経験した事がありません。これらの変革の多くは米国の医学教育を参考にされています。

その意味から、当財団の助成により米国にて研修した人々が、かの地で実体験した医学教育や医療を、本邦に導入して、わが国の医学教育、ひいては医療の改善に大いに貢献して欲しいものであります。

ご存じのように本財団の事業は、各位の絶大なご厚情・協力に支えられており、皆様のご支援なくしては、所期の目的を達成いたしかねます。当財団は、本年度も引続き特定公益増進法人の資格が認められまして、ご寄付並びに賛助会費に対して税の優遇措置(いわゆる免税)が講じられます。

なにとぞ各段のお力添えを賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。